日々のエッセイ
6.52016
アイガモ農法のメモ
アイガモ農法をはじめる。そのメモ。アイガモというのは、アヒルとマガモのミックス。アイガモを水田に放して、除草駆除させ、無農薬で安全な米をつくる。
無農薬でお米を作ろうとすると、いちばんたいへんなのが雑草。田植えの数日後から、すごい勢いで草が生えてくる。除草剤を使わなければ、手で取るしかない。それを放置すれば、稲が雑草に負けて育たない。どけくらい手間がかかるかというと、昨年、楽舎の田んぼでは、メンバーの4人で、毎朝6時〜7時半まで、休まずに1ヶ月半草取りをした。早起きの習慣がついて、爽快な日々だったけど、やはりたいへん。なので、この手間のかかる除草をアイガモにやってもらおうというのが狙いだ。
雑草は成長したら根を張って抜くのがたいへん。なるたけ双葉のうちに取ってしまうのがいい。アイガモのヒナを放つと、雑草の芽を食べてくれる。くちばしや足で水田の泥水を掻き回すで、雑草が根っこから除去される。水田はいつも土で濁ることになるので、日光が行き届かず、雑草が生えない。
そのほか、泥水が掻き回されると、水田内に酸素を供給される。稲の株元をくちばしでつつくので、株張りがよく丈夫な稲が育つ。アイガモの排泄する糞尿は、優れた有機肥料となる。
……といいことづくめだけど、いろいろ課題はある。
まずヒナが外敵にやられてしまう。空からはカラスにトンビ、タカがくる。陸上からは、イタチ、ネコ、キツネなどがやってくる。なので、電気柵と網を張る。この費用がすごく高くつく。うちの田んぼだと、30万円くらいかかる。
ヒナは、一羽500円。1反あたり20羽もあればいいので、40羽手配した。生まれて24時間以内に宅急便で運ばれてくる。温かい納屋で1週間くらい飼育して、田んぼに放つ。雑草が育った時に放っても食べてくれない。田植えの直後だと、苗が食べられてしまうかもしれない。このタイミングが難しい。
田んぼ内を自由に泳げるように、田んぼの水量は十分な必要がある。土が露出したところは行かないので、田んぼが水平になるように、代かきをちゃんとやっておく。うちの田んぼは、そこができていない。土が露出していたり、深水のところがあったりする。ヒナたちは、深水のところが好きなようで、そのあたりに群れる。浅水のところには草が生えてしまう。草だけで育つかというと、そうもいかない。毎朝、餌をやる。くず米やクズ麦をやる。
さて、稲の穂が出る8月頃には、田んぼには水を入れないので、もうアイガモたちはいられない。それで、檻をつくって飼うことになる。40羽の成長したカモを飼うというのは、けっこうたいへんだろうな。ガーガーと、さぞやかましいだろうな。外敵もやってくる。
そうして、これが大きな課題。その成鳥をどうするのか、ということ。普通は、ほとんどが食肉となってしまう。かわいいアイガモたちを締めて解体するというのは、なかなかつらい。なので、知人のアイガモ農家は、食肉解体業者のところまで運んで、肉にしてもらう。一匹千円でパックにしてくれて、送られてくるという。それを冷凍しておけば、いつでも食べられるということになる。
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