日々のエッセイ
12.22016
ついには、びしょびしょ
朝、目が覚めると、あかりはふたつの拳同士をさかんに叩く。それは外に出たいという合図だ。まだ喋れないので、それで示す。痛い、もっと、歩きたい、などいくつかの合図を覚えている。
外にでれば、日の光、鳥の声、風、草、樹、水、土。たくさんの宝物がある。水たまりを見つけると入っていく。足で踏んではびちゃびちゃと音を立てる。やがてすわりこむ。手で触っては、冷たさをたしかめている。ペチャペチャと叩く。
水面は、光が反射してきらきらしている。水に映る自分の姿の揺れるさまを眺めている。いつまでもやめない。ついには、びしょびしょ。春になったら、田んぼで思いきり泥んこあそびをさせよう。
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