日々のエッセイ

可能性を感じるのは、ジビエだ

山里は仕事がない。かつて繁栄した林業もお茶も衰退している。有機茶や碾茶(てんちゃ)に活路を見出している集落もある。しかし大方は、もうやっていけないよ、そういう声をよく耳にする。
 
自然が豊か、星空がきれい、清流があるといっても、仕事がなければ、暮らしていけない。タダ同然の空き家があって、生活コストが安いといっても、現金収入がなければ暮らしは難しい。
 
フリーランスで仕事をしている人、退職金と年金暮らしのひとはいる。家業を継承しているひと以外で、山里で雇用を生むような起業をしているひとは、春野でも数名かな。
 
耕作放棄地もある。山林もある、清流もある。広大な土地もある。しかし、それらの資源を活用して、なんとか価値を生んでいこうというと、これが難しい。
 
いや、炭焼きだって可能性はある。竹炭もつくれば売れるかも。お茶だって、有機農業だって、いくらでも可能性はある。しかし、やはり、そうかんたんではない。
 
そのなかで、可能性を感じるのは、ジビエだ。山里にはシカやイノシシはふんだんにいる。猟にでれば、グループで1日1頭は仕留めてくる。檻にもたくさんかかる。
 
だが、そのほとんどは捨てられてしまう。となりまちでは年間100頭以上のイノシシは土に埋められる。シカの革など、たいへんな高級品だが、これも惜しげもなく捨てられる。もったいない限りだが、なにしろ加工が難しい。そして、食肉の販売は、いろいろ保健衛生上の制約が厳しいのだ。
 
そんななかで、「山の村」を運営しているNPO法人はるの山の楽校が、浜松市中山間地域まちづくり事業の採択を受けて、食肉加工所をつくった。いままで捨てられてしまったシカやイノシシの肉が、加工して販売されることになる。山里のビジネスとして、可能性がでてくると思う。
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