日々のエッセイ
8.62018
私設図書館での出会いと語らい
高校の同級生の建築家が訪ねてくれた。売りたいという家に付属している「煉瓦づくりの蔵」の状態を見てもらう。崩れる心配はないと思うけれど、ひさしなど補強が必要という。そのためには、やっぱり100万円も200万円もかかりそう。これは工事してみないとわからない。もっとかかるか、安くなるか。
帰りに、まほろば文庫に寄ってみた。8月1日にオープンした私設図書館は、地域の寄り合いの場でもある。エアコンが効いて涼しいのがありがたい。当番制の無償ボランティアで運営される。その日は、Mさん。気軽に話しかけてくれる。その友人のスナックのママさんもきていた。おばさまたちとしばし会話。
図書館作りに活躍されたYさん、Nさんもいた。ひとり暮らしの高齢者の山奥の様子などをお聞きした。Nさんは、NPO法人のタクシーの運営にも関わっている。山里は、クルマがないとたいへん。山奥の人が診療所などに通う時に、バスもこない。タクシー会社もない。そうしたとき、タクシー料金の半額で運転するというNPO法人(春野のえがお)が、数年前にできたのだ。
昭和30年代の春野の広報誌があったので、それをめくりながら、懐かしいねーなどと語りあっていた。近くに現れたカモシカを撮影した写真を引き伸ばして、飾ってほしいともってきたおじさまがいた。
20冊以上の著作がある郷土史家の木下恒雄さんから、終活なので、いまの書斎にある本を、ぜんぶ寄付したいと連絡があった。
「こんど、上映会でもやりましょうか」と提案してみた。「素晴らしき招待」という、春野の山奥・勝坂村を舞台に撮影された映画(1955年)がある。60年も前の映画。
山奥で暮らす子どもたちは、いちども海を見たことがない。山火事を消したお礼にと山主が海への旅を招待するという物語だ。この地域がロケで使われて、懐かしい風景がみられる。
地域の流れに沿って、お手伝いさせてもらいながら、企画させてもらうというのが、無理のない自然な流れではある。ま、出過ぎないようにほどほどに、と。
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