日々のエッセイ

友人の尼さんをお寺に 小堀遠州の庭のある素晴らしい寺

「正式にお寺に住むことになりました」。友人の吉田真誉さんから報告があった真誉さんはきちんと密教の行を積んだ僧侶で、活け花もお茶の腕前もすばらしい。仏画は東大寺で個展をひらくほど。

亡き夫の母が亡くなり、相続が発生して東京で住職を務めていた寺をたたまなくてはならなくなった。なんとか力になってあげたいなあと思いつつ、なにもできなかった。

いま「寺社カフェ」の企画をすすめていくなかで、鴨江寺さんとの縁ができた。先代住職とは、いちど取材でお会いしたことがある。かつて彼岸のときには、浜松駅から寺までの1キロあまり、ずらーっと露天が並ぶほどの賑わいを見せていた寺である。

その鴨江寺さんが管理していた寺がある。浜名湖の北にある弘法大師開基の名刹で、本尊の馬頭観音と小堀遠州の庭がすばらしい。住職がおらず、留守番役の方が辞めるので、だれかいい人を紹介してほしいと頼まれた。

それで先日、YさんをK寺に紹介したのだった。K寺としては、きちんとしたお坊さんだし、願ってもないことだ。お寺の経費はだすが、口は出さないので、どうぞ自由にやってください、ということになった。Yさんもお寺の佇まいに接して、大いに乗り気だった。そして、今回、正式に移り住むことになったわけだ。

真誉さんとは不思議な縁で、まだ立教の女子大生の頃、ぼくがあるお寺に紹介した縁で、そのお寺に住み込みとなり、ついには出家してしまった。そして、今回のお寺だ。つくづく不思議な縁があるねえと話したのだった。そうして、本尊の馬頭観音が呼び寄せたのかもしれない。 これから、コンサートやら瞑想会、講座など、おもしろい企画が生まれそう。親戚づきあいのできるお寺ができたようなもので、これまた嬉しいことだ。

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