日々のエッセイ
9.212018
山里の過疎化対策
山里の過疎化対策というのは、全国的にとっても難しい事業であることは間違いない。過疎地は高齢者ばかり。活気はなくなる一方。ガソリンスタンドもなくなる、買い物のできる店もなくなる。医療施設もすくない。
なにしろ過疎地というのは、仕事がない。だから、みんなまちなかに行くわけだ。自分で仕事を作れる、あるいは貯蓄の余裕がある人でないと、なかなか移住できない。
しかし、定住の可能性はある。とくに、若い人たちに、山里に住むことにメリットがあることを、具体的にアピールできるかどうか。
以下は、ぼくができることは、ひとつもない。ので、行政に期待するところとして、備忘録として書くだけのことでしかないが。
まず、子育ての家族に、山里暮らしはメリットがあるということを、行政が示すことができるかどうか。
たとえば、若い夫婦向けに安い家賃の住宅があるといい。南信州では、そのことで出生率が大幅に上がった村(下條村)もある。保育所が近くにほしい。むつかしいなら保育ママ制度(資格のある人が自宅で子どもを預かる)を活用する。
お試し住宅をたくさん作る。一年くらい限定で、山里暮らしが体験できる。その間に、人間関係もつくりながら、空き家を探す。お試し住宅には、廃校になった教職員住宅などを活用する。
クルマ社会だから、豊かな自然の春野で子育てをしながら、まちなかまで通勤が可能である。そのための通勤補助制度も考えられる。
たとえば、都田に移転するスズキ自動車に勤務する予定の夫婦が、春野町で子育てをしたいということで訪ねてきたことがある。春野から浜北や都田ならば、クルマで1時間余でいける。十分に通勤は可能である。春野はバイパスが整備されているので、道路事情はとてもよい。
通勤しながら、まちなかにある保育所に預けることができればいい。仕事に行くときに、子ども預け、帰りに一緒に帰ってくるというスタイルもある。
しかし、過疎地に移住することが、浜松市にとって経済的なメリットがあると感じるのかどうか、ということもある。
もう、そんな山奥には住まないでほしい。過疎地は、消滅してもらいたいという気持ちだってはたらくと思う。山奥に人がいるばかりに、橋が崩れた、崖が崩れた、道が崩れたと言うと、補修費用に何億、何十億とかかるわけだし。
ても、メリットもいろいろある。すなわち若い人が移住すれば、なにより山里に活気が生まれる。経済循環もはたらく。集落の見守り支援にもなる。災害時におけるサポートにも貢献する。そしてなにより、集落としてとしての維持継承が可能になってくる。
ぼくは都会暮らし40年から山里に移住して8年。山里に、暮らすメリットはいろいろと気がつく。もちん、影の部分もあるが、またそこは別の機会に。
やはり自然が豊かだと、気分がいい。子育てにもいい。清流の気田川、豊かな森林、そのまま冒険ランドとなる。カヤックやキャンプなどアウトドアが好きな人には、いいかもしれない。また春野は、他の中山間地よりも移住者が多いほうなので、多少の風通しの良さはあると思う。
耕作放棄地もたくさんあるので、田んぼや畑をやりたい、有機農業をやりたい人には、向いている。「ラブ・ファーマーズカンファレンス」のような有機農業者の集い、山里の暮らしをみてもらう交流の機会、地元と移住者が行う「春野人めぐり」なども、年に2〜3回やっている。
それらの企画の起ち上げには、協力させてもらった。イベントを通してのネットワークづくりもまた、たのしい。都会では味わえない豊かさの一つである。
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