日々のエッセイ
10.172016
田んぼの仕事いろいろたいへん(1)
田んぼのたいへんなのは、いちどにたくさんの人手がいること。田植えや稲刈など、その日にちじゃないとむつかしい。〈待ったなし〉ということが多いので、そのとき人手がいないと、たいへん。また、手伝ってくれたひとに、どんなふうにお礼をしたらいいのか、それもむつかしい。
そのあたりがなかなか面倒だ。なので、機械にたよることになる。トラクター、田植え機、コンバイン、乾燥機、籾摺り機などがあれば、人手は要らない。
だが、お金がかかる。新品だと一千万円近く、中古でも何百万円もかかる。さらには、メンテナスや修理費もかかる。廃棄するにもたいへんだ。他の農家から借りればいいんだけど、壊したらたいへんなので、貸すほうも借りるほうも躊躇する。
とまあ、田んぼは手間も費用もストレスもかかる。なので、そんなに苦労して、田んぼをやる必要はない、ということになる。なにしろ、お米を作っても暮らしていけない。自家消費だけだったら、お米はどこでも手に入るのだ。しかも安い。
年もとってきた。体力もつづかない。息子たちは手伝いに来てくれないし、興味もない。地域の人もみんな年老いて、手伝いはできない。やめたらラクだ、ということになる。そうして、耕作放棄地がひろがる。草ぼうぼうとなる。されが山里のすがただ。
そうした耕作放棄地をお借りして、そこをよみがえらせて、昔風の作り方で、完全無農薬・無化学肥料でやってみよう。そんな思いで、楽舎は昨年から、素人ばかりではじめたのだった。
田んぼはやってみると、おもしろい。試行錯誤の連続で、いろいろなスキルが身につく。知恵が磨かれる。仲間との作業もたのしい。まなびになる。自然の移りかわりが五感でわかる。無農薬でやれば、安心・安全な食の確保になる。とまあ、やってみると、限りない可能性を感じるのだ。
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