日々のエッセイ
7.172017
山里暮らしの試練は、年をとってきてからやってくる
山里暮らしの試練は、年をとってきてからやってくる。病院がちかくにない。診察を受けに、調合したクスリをもらいに行くのも一日仕事になる。クルマが運転できなくなると、生活品を求めるのもたいへん。敷地が広ければ、夏草は生い茂る。年をとったら、都会暮らしがよいのだと思う。先立つものがあれば、の話だけど。
田んぼの草取りの帰りに、Mさんを訪ねた。83歳になる。90過ぎの夫は耳が遠いので、ほとんど会話が成り立たない。昨年、頼りのひとり娘を亡くして、がっくりしてとても落ち込んでいた。はるか山奥のほうから越してきた方で、ちかくに親戚はいない。
ノックしてもいない。留守か……。帰ろうとしたとき、ちょうどそこに民生委員のIさんがやってきた。縁側にすわってやりとり。先週、旦那さんが救急車で運ばれたという。家にいて倒れて、血圧がものすごく低くなっていたという。
その看病に病院に行っているのだろう。クルマの運転ができないので、バスを乗り継いでいくとしたら、一日仕事となる。そして、この暑さだ。
きのう、連絡がとれた。本人も、近頃、転倒して足にケガをして治っていないという。次から次へと困難が襲いかかってきて、身も心も崩れそうだといっていた。ぼくは、なんにもできないで、うんうんと様子を聞くだけだったが。
この集落で、ぼくが知っているだけでも80過ぎのひとり暮らしの方は、8人くらいおられる。夫婦で暮らしていても、こうして片方が倒れたりすると、たいへんだ。
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