日々のエッセイ
9.142017
山里の交通弱者 スクールバスとのわかちあいの道も
年をとると体調も悪くなる。体の動きも衰える。クルマに乗るのも危ない。山奥にはバスなどほとんどこない。来たとしてもバス停までいくのはたいへん。では、買い物や医者など、どうしたらいいのか。
かつて春野町は、浜松市と合併する前までは、町内ならどこまで行っても500円でタクシーが乗れる制度があった。しかし浜松市と合併して10年。その制度は廃止された。他の町との一律平等主義に外れるからだ。予算も問題も大きい。
しかしそうはいっても、交通弱者はどうなる。どうしたらいい。
ということで、友人の森下広隆さんがリーダーとなって、NPO法人「春野のえがお」を立ち上げたのが、3年前。タクシーの半額で移動できるシステムを作った。春野の住民が年会費1,000円で支えていくことになる。しかし、経費的にやりくりは大変なことと思う。収益が上がる事業ではないからね。
また、北遠地域の佐久間町では、NPO法人が1億円の資金をもって、買い物支援タクシーを運行させている。が、資金は、年々取り崩して、目減りしていると聞く。
徳島の美馬市では、NPO法人が主体となって「助け合いタクシー」を運行させている。住民が自家用車を白タクとして利用してもらう。予約を電話で受け付けると、近くの登録運転手が送迎する。運賃は、民間タクシー会社の半額程度。その85%を運転手に、残りをNPOの運営費に配分。送迎もしながら、独居老人の安否確認も行う。
ぼくが思うには、スクールバスとの乗り合いのシステム作りもあったらいいと思う。中学までは義務教育なので、そこに生徒がいればどんな山奥でも、たった一人でもスクールバスは送迎することになっている。
そのスクールバスの運行に合わせて、地域住民が利用させてもらう。まちなかに買い物に行ける。診療所に行ける。交通弱者には、ずいぶんとメリットがあると思う。また、余計な経費はかからない。
しかし、これを阻むのはひとつには縦割り行政だ。スクールバスは文科省、住民の移動は国土交通書の管轄。そのあたりの調整が難しいと思う。なにか問題があった時、どう責任とるのかというところもある。
ではまったく不可能かというと、そうでもないと思う。そこの風穴をあけて、スクールバスと住民の移動を可能にした村がある。長野県の川上村だ。これは川上村方式と言われるらしい。これは直接、村長から聞いた話である。この問題、もうすこし、調べてみる。
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