日々のエッセイ
10.172018
山里で出版社を立ち上げようかと思っている
出版社を立ち上げようかと思っている。これまでは、「いちりん堂」という屋号で、何冊かは出版してきた。自費出版がほとんどだ。
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しかし、出版事業って、いくらなんでもリスクが大きい。1億円くらいの資金があれば、余裕なんだろうが、しかし人を雇ったりすれば、すぐに消えていく。ぼくには、せいぜい100万円以下の投資だよ。
それにしても出版というのは、お金がかかる。全国の書店に配布しようと思えば、3,000部じゃ足りない。それでも、何百万円もかかるる。大きい出版社は初版3万部とか刷る。いきなり100万部印刷して、売り切ったという会社もある(幻冬舎など)。。
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ともあれ、かつてのように本は売れない。構造不況業種といわれる。いまやネットの時代なのだ。けれども、「紙の本」は、なくなることはないと思っている。
出版は、まったくの大博打だ。なにしろ、売れるかどうかはわからない。売れればすぐにビルが建つ。知り合いの社長は、競走馬を10頭、買った。しかし営業は大変。売れなければ、在庫がたまる。管理もたいへん、場所もとる。印刷会社への支払い、どうしよう。
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ぼく自身は、本業は出版業で、ライターと編集の道を20年くらい歩んできた。仏教書と医学書がメインだったが、雑誌の取材の仕事もした。大学の新聞や、都の労働新聞みたいなものもつくった。お寺の大本山の新聞など、いまでもつくっている。
田舎に移住して8年。田舎暮らしが楽しくて、田んぼやら果樹園やら、いろいろ手を出した。移住相談をやり、田舎の魅力発信の仕事をつくってきた。近頃は、看とりとおくり、宗教的な企画が多くなってきたが。
ここへきて、もういちど軸足を出版に戻そうとしている。
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これまでは、主には、大手出版社に企画を持ち込み、インタビューなどして原稿を作る。売れそうな著者とのやりとり、出版社に企画もちこみ、原稿を書いたりしてきた。
医学書のほうは、学者の原稿を整理し、校閲と校正をし、表を作りイラストを手配し、デザインから版下まで作る、ということをやってきた。
そういう流れも復活させながら、今度は、自ら出版社として展開していこうと思い立った。自分が版元であれば、自分が好きな本を出せる。しかし、なるたけリスクは抱えない。費用をかけないで。
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ということで、Amazonのオン・デマンド出版の道がありそう。オン・デマンドなので、発注を受けた時点で、印刷と製本。そして24時間以内に届けられる。在庫は一切かかえない。代金の回収もすべてAmazonが行う。
書店には並ばない。けれども、Amazonで売れる。そこは大きい魅力。
さて問題は、かかる費用である。
調べてみると、出版社としての登録は、5万円。一冊についての登録は5,000円弱。ただし、Amazonとは直で取引できないので、販売会社を通す。その際、売上の4割を支払う。著者に印税が10%。 一冊売れるたびにAmazon にはページあたり2.5円かかる。それくらいか。
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……こうしてみると、こちらには、リスクはさほど大きくはない。売れるかどうかわからないが、トライして見る価値はありそうだ。
というわけで、いま考えているのは、年内に8冊。7冊は、すでに版下が出来あがっている。あと1冊は来春まで、ということになりそう。自分の本も次々と出して行くことができる。
大手出版社から、その本を出したいということが起きるかもしれない 、それはそれで、つなげていけると思ったり。
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