日々のエッセイ

山里の診療所

山里の不便さはいろいろあるが、ひとつには医療施設が遠いこと。しかしさいわいなことに、この集落には診療所が近くにある。
 
都会暮らしのときと違って、近ごろの体調不良もあって、よく診療所に行くようになった。かかりつけの主治医として、こちらの事情もよくわかってもらえている。
 
空咳がまだ続く。これはマイコプラズマ肺炎かもしれないと思って、もちの木診療所に出かけた。自転車で1分。待ち時間なし。
 
診療所に行くと、「池谷さん、ちょっと来てごらん」と先生が言う。部屋に行くと、抽象画が飾られている。近所にいる画家の作品だ。なかなかのもの。
 
今度、これを描いた画家のIさんの絵を集いをやりたいという。定期的に私設の「まほろば図書館」で行う。それはおもしろい。参加させてもらおう。
 
そして、診察してもらう。
 
「先生、妻も子も、咳をしています。もう一月くらい、風邪が治らないんです。ひょっとしたら、マイコプラズマ肺炎かなあと心配しているんですけど」。
 
先生は、聴診器をしばらく当てて、「ああ、ひょっとしません。肺炎はこんな生易しいもんじゃありません」。
 
ということで、ツムラの漢方薬を処方してくれたのだった。往復の移動と、待ち時間、診察と投薬で30分以内だ。
 
これがもまちなかの大きな病院に行けば、一日がかりだ。往復2時間以上、待ち時間、検査、診察、そして精算の待ち時間、医薬分業だから、調剤薬局に行く。これだけで3時間くらい。合計7時間と。
 
あれ、おかしいかなと思ったら、ちょっと診てもらう。検査してもらう。そんなふうに、暮らしの中に診療所も取り入れていくことになる。大きな病やケガとなると、これはもう大きな病院に行かなくちゃならないけれど。
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