日々のエッセイ
11.192018
土地の測量について
近所の空き地で、土地の測量をしていた。費用はどれくらいか、測量士に聞いてみた。「10万円くらい?」。「いえいえ、その倍、いや数倍かかります」。おお、そんなにかかるものなのか。
隣地との境界が不明だと、後でもめることがある。そのために測量するのだろう。しかし、たった100坪あまりの土地である。そんなに正確に測量する必要があるのだろうか。売れたのか、あるいは売るために測量しているのか、わからないが。
きちんとした測量には金がかかる。
昨年のことである。耕作放棄地を借りて田んぼをやっていた。あるとき、地主に「あるはずの杭が、ここにない」と言われた。
お借りする時、杭のことなど、そもそも眼中になかった。田んぼによみがえらせる時、草刈機かトラクターでつぶしてしまったのか、どうにも見当たらない。
地主は、「ちゃんと国土調査して打った杭だから、復旧してもらいたい。再測量をやってもらいたい」と言われた。
費用を考えると、測量士が2名、出張費などもふくめて20〜30万円かかるらしい。
うむむ。この2反の田んぼで収穫が300キロ。10キロ1万円とすごく高く売れたとして、ぜんぶで30万円にもならない。
自分たちの人件費は除いても、機械の修理代、レンタル代、燃料、電気柵バッテリー、種籾など、数十万円かかっている。その上に測量代か……。絶望的になったことがある。
さいわい田んぼ仲間のYさんが、あちこちを鍬で掘って、見つけてくれた。知らず知らず、土で埋まったらしい。それで、この難は免れたのである。耕作放棄地を借りるとの要注意の一つだ。
土地の境界は、測量士を使って厳密にやるのがいい。だが、山里の土地は売れないし、坪数千円程度だったりする(農地は農家資格者にしか売れない)。
土地所有者同士が納得すれば、ホームセンターで買ってきた赤い杭を打ちこめばいいのだと思うが。
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