山里の子育て

  1. 雨がざあざあ降ってくる

    雨がざあざあ降ってくる。「さんぽいくー」とあかりが言う。言い出したらきかない。待ったなしだ。でも、傘をさしての肩車はあぶない。リヤカーの出動だ。二歳児になったけれども、あいかわらずおかあちゃんにべったり。おかあちゃんも疲れはて、自分の仕事ができない。妻にはNPO法人の事務処理、そして締め切り間近の編集のサポートもある。なので、こうしておとうちゃんが外に連れだすわけだ。[続きを読む]

  2. あかりの山里のおばあちゃん訪問記

    あかりの山里のおばあちゃん訪問記。ひとり暮らしで、今度のお正月で90歳になる。50年前に夫を亡くし、3人の子育てをしてこられた。数年前まで、エンジン草刈機で草を刈るほどの元気さ。しいたけ栽培も野菜つくりもきちんとされている。家の中もよく整頓と掃除がされていて、尼寺のような雰囲気。いつも感心する。この世代の人たちは、戦争体験もあり、とても気丈だと思う。[続きを読む]

  3. 山の向こうに大きな満月がぽっかり。十五夜だ。

    おさんくー、おさんくー。何度も言う。んん?なにを言いたいのかな……。ああ、そうか、お散歩いくー、と言っているのか。あかりを肩車して、夜のあぜ道を歩く。山の向こうに大きな満月がぽっかり。十五夜だ。なぜか山越しの阿弥陀仏という風情を感じた。(本来は、阿弥陀仏は山に沈む夕日のイメージだけど)お月さま、きれいだねーと言うと、おつき きえいー。きえいーと、あかり。[続きを読む]

  4. ひとり暮らしのおばあちゃんたちょ訪ねる

    あかりが外に出たいという。炎天下だ。歩くのをいやがる。帽子かぶせてリヤカーに乗せてひとまわり。ちょっと散歩のつもりが、ひとり暮らしのおばあさんの家々を訪ねることにした。みなさん80を超えている。Mさんは留守だった。昨年、ひとり娘を亡くされ、身寄りもちかくにいない。先月、ご主人が家で倒れて救急車に運ばれた。退院するとちかくのデイサービスに入ったという。ご主人の介護に出かけているのだろう。[続きを読む]

  5. ヒメホタルはもういなかった

    ホッター、ホッターと言っては泣く。あかりが、ホタルを見に行きたいという。ゲンジボタルは6月だった。この近くの公に現れるので歩いて行けた。毎日、毎日、肩車して見に行った。 ヒメホタルは水辺には現れない。森のなかでチカチカとLEDランプのように光る。場所はかなりの山の中だ。7月に入ってからだと聞いていた。 豪雨の後だし、時期も遅い。[続きを読む]

  6. ちかくに託児施設があって、はじめての訪問

    じゃーんぷ!というと、大喜びで跳び下りるようになった。45センチの高さ。下にマットは敷いてある。ちかくに託児施設があって、はじめての訪問。すこし緊張して曇った顔をしていた。でも、おんなじくらいの女の子もいて、一緒に絵本を楽しむようになった。おねえさんがやさしい、あかるい。あんしん。ヤギもいる。わんちゃんもいる。帰るよーというと、いやー、いやんと帰ろうとしない。[続きを読む]

  7. お年寄りと幼児の出会いの場というのが、もっとあるといい

    あかりが手を挙げたといっては笑いを誘い、拍手をしたと言っては喜んでくれる。11時から、「きょうはなんの日」というお話。どんな記念日、だれそれの誕生日と。昨日は、法然上人の誕生日だとか。それから、歌。ウクレレや沖縄三線の伴奏で、春が来た、むすんでひらいて、朧月夜などを歌う。そして、体操。あかりは、このコースに参加している。すぐ近くのデイサービス「みんなの家」に通うあかり。[続きを読む]

  8. ここは気田川の上流、木ノ子島

    お父ちゃんの朝の日課。肩車して河原に向かう。20分も歩けば、こんなところが現れる。ここは気田川の上流、木ノ子島だ。もちろんだれもいない。川音を聞きながら、鳥の声を聞きながら。[続きを読む]

  9. あかりを肩車して朝の散歩

    あかりを肩車して朝の散歩。ゆうちゃんとの初めてのご対面。ゆうちゃんは4つ。しっかりしている。あかりに興味をもってくれたけど、あかりはまだ不安そう。62年間もお茶を販売している市川園を訪ねた。景気のよかったお茶の時代の話を聞く。ちょうどお孫さんが来ていた。ちょくちょく遊んでもらえそう。お母さんも45歳で初めて生まれた子だという。うちのと年齢がちかい。河原を歩く。[続きを読む]

  10. 川の水はキラキラ輝いている

    春だなぁ。川の水はキラキラ輝いている。石ころを川に放り投げる。ドボン!ボチャン!という音を楽しめるようになってきた。あかり1歳7か月。[続きを読む]

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