日々のエッセイ

東京の大学の先生とゼミの学生たち30余名が春野に滞在して、中山間地の研究を

この夏に、東京の大学の先生とゼミの学生たち30余名が春野に滞在して、中山間地の研究を行う。数日の滞在で、なにほどのことがわかるか、とは思う。が、これを皮切りに毎年、継続して研究と調査を進めてくれたらおもしろい。若者・よそ者の視点はありがたい。ま、いま段取りしているところで、まだ不確定。ぼくの頭のなかでは、こんな計画をしている。
オートキャンプ場に滞在して自炊。昼は山里の人に会いに行く、夜は討議。3つの班に分かれて春野の人と暮らし、なりわい、経済の動きをリサーチする。たとえば、森林とエネルギー、農業、山里での起業、山里の地域コミュニティ、山里と〈まちなか〉との交流など。
テーマにふさわしい人をリストアップして、じかに現地を訪ねて話を聞いてもらう。しかし、なにぶん山奥なので、運転もおぼつかなくて危険、時間もかかる。ので、かれらが滞在する拠点に、やってきてもらい、ぼくがインタビューをしながら進めていくというやり方がいいか。それだと学生は楽ちんすぎるし、現地を訪ねていないとリアリティがない。
ま、「学生のための春野大学:山里の人と暮らし講座」みたいになことになるか。たとえば、どんな人がいるか。
自伐林業、代々の林業家(植樹、育成、間伐、伐採、搬出、販売まで)のMさん。林業は衰退産業で、春野でも自伐林家とは、稀有な存在。しかし、中山間地の最大の資産は森林。オリンピック需要でFSC認定の森林の木材の需要は増えてきている。輸出の動きも。
森林経営計画のもと、集落をあげて針葉樹の森を広葉樹の森にしていく。そのリーダーのYさん。集落の共有林を広葉樹に変えていくという5か年計画の一年目が進行中。集落をまとめるリーダーとして、Yさんのような存在は貴重。狩猟グループのリーダーでもある。ジビエの販売も計画中。
集落をあげて有機茶栽培を行っているSさん……山間部でのお茶栽培は、林業とともに春野の主要産業。しかし、衰退している。そのなかで、活路を見出そうというのが、有機茶栽培。無化学肥料・無農薬のお茶。それを集落をあげて行っている。
新規就農のU夫妻……お茶農家。山間部でお茶の栽培から販売を行う。域通貨をすめて地域で経済を循環させようという試みも。公民館を使って、レストラン。地域の寄りあい場にしていこうという動き。Wwoofといって、外国の旅行者を滞在させて宿と食事を提供して、有機農業を体験してもらうことも。
集落をあげて過疎地に移住者を迎えようという動き。川上集落のT自治会長。
⑥ぼくのほうでは、中山間地での有給農地の問題。休耕田をよみがえらせての稲作のはなし。空き家活用しての定住促進の動き。山里と〈まちなか〉を結ぶ企画など。
⑦その他、居抜きの達人で、御茶を栽培し、国道沿いに休日喫茶店を出して、バイクのツーリングの人に珈琲や食事を提供するOさん。針葉樹の森を広葉樹に変えようとしている陶芸家のYさん。家族で農業を営むYさん。省エネ生活を営み、木工。アクセサリーを作って販売するOさん。自力で家を数棟て建ててしまう達人たち……など。まあ、いろいろおもしろい人たちがいる。
人と暮らし、生き方に絞るのがよいのか。中山間地での経済、なりわい、起業にしぼるのか。あるいは、地域コミュニティづくりにしぼるのか。林業とエネルギー、あるいは農業にしぼるのか。かれらが、どういうテーマでどういう人の話を聞きたいのかによって、メニューはさまざま。
数日の滞在ながら、山里の人と暮らしに接してもらい、その研究の成果を〈まちなか〉で発表してもらう。日にちと会場は、9月8日。市民協働センターのギャラリーで。学生の研究成果の発表と春野の上記の人たちの話をしてもらう。春野の魅力発信から交流促進・定住促進に結びつける流れづくりとぼくは位置づけている。
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