日々のエッセイ

耕作放棄地のよみがえり、しかし注意すべきこと

過疎高齢のために山里には放棄地がひろがる。そこをよみがえらせて、〈まちなか〉と移住者たちと栽培する。できれば、無農薬・無化学肥料で栽培して、安心・安全な食を確保する。山里暮らしの大きなテーマのひとつだ。

土地をお借りできれば嬉しい、やったぁという気持ちになる。そして、はじめるときには、やる気満々。しかしだ。手を付け始めてみると、いろいろと難しい。何しろ素人で農業を始めるのだから。機材もない。ワザもない。知識もない。フォローしてくれるひともいない。

しかし、それは理由にならない。いったん借りるからには、ちゃんとしないといけない。「あいつらはなんだ……」と言われてしまう。そして、そのことはずっと尾を引く。そこがこわい。

2年前に、この田んぼを借りたグループがあった。遠くからの通いだった。田んぼは毎日、見まわりをしないといけない。ときどき来る程度では、むつかしい。それで、かれらはきちんとできなかった。田んぼに水は入れっぱなし、除草剤を使わないので草がぼうぼう。抜いた草を他人の土地に捨てることもあった。大雨のときには、廃材が他人の土地に流れていった。

それでついには、栽培できないので、地主に返すということになった。それではもったいないということで、ぼくたちが借りたという経緯がある。だが、移住者・よそ者が土地を借りたということで、同様にみられることもあった。ぼくたちは関係ないのに、直接クレームを言われた。すれ違っても、「あんなことしちゃいけない。こんな問題があった」と見ず知らずに人に注意されたことも、度々あった。いまだに、言われることもある。

地元の人はじっと見ているわけだ。信頼を得られるまで、時間がかかる。そして、いったんトラブルが起きると、取り返しがつかない。だが、ちゃんとやっていれば、好感がもたれる。

楽舎は、農作業をはじめて2年になる。真夏には、毎朝、田んぼに通って草取りをした。今年はアイガモ農法だ。まあ、なんとかやってこれた。先のことはわからないが、さらに若いひとたちが加わって、この流れですすめられたらと思う。素人集団でも、ちゃんとできるというサンプルをつくりたいと思う。

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