日々のエッセイ
10.12015
「お試し住宅」や「田舎暮し住宅」がほしい
過疎化のすすむ中山間地にあって、定住促進が望まれる。けれども、移住者に対して違和感を抱く地域もあるので、定住はなかなか難しい。しかし、行政ができることはたくさんある。なにしろ行政は、予算と権限をもっていて、人材もいる。NPO法人や任意団体の動きとは比べ物にならない。
そこで提案。具体的には、「おためし住宅」や「田舎暮らし住宅」をつくることだ。廃校や生徒の減少にともない、使われていない教職員住宅、公務員住宅などはたくさんある。それを活用する。あるいは、空き家を買い取って改修する。個人には貸したくないが、行政相手なら貸してもいい人もいるだろう。
それらを、「おためし住宅」や「田舎暮らし住宅」として移住希望者に提供する。数ヶ月、暮らしてもらい、その間にじっくりと空き家や土地を探す。地域の実情もわかってくる。双方納得のうえで移住もしやすい。あるいは、若い夫婦向けの町営住宅のようなものがあってもいい。
課題はある。ざんねんなことに、行政は縦割りだ。十分に活用できそうな教職員住宅があるのに、次々と解体して更地になっている。先日は、9人が暮らせる教職員の独身寮が、いつのまにか更地になっていた(1枚目と2枚目の写真)。地域の人もなにもしらされず、残念がっていた。これらは教育委員会の資産ということで、定住促進に使えるという発想がないままに、帳簿的な計算で、解体しているのではないかと思われた。
いま春野町で空いている「おためし住宅」は3棟。家賃は月に1万3千円。昨日、みてまわったが、なかなか快適な住宅であった。それをもっと増やしていってほしい。そこから定住促進も加速されていくように思う。
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