日々のエッセイ
10.52018
空き家解体というビジネスの可能性があるか
過疎地である山里のビジネスとして、「空き家の解体」という仕事があるかもしれない。なにしろ山里は空き家だらけである。ぼくが犬を連れて散歩するコースには、40軒ぐらいの空き家がある。
とはいものの、なかなか貸してくれない。遺品を整理していない、仏壇や墓がある、年に一度お茶を摘みに来る、補修が必要、地域に馴染む人でないと困る。そんな理由で、なかなか貸してくれないのが実情だ。そうこうしてるうちに、家はどんどん痛んできて、やがて解体しなくてはならなくなる。
そういった土地と家をもらったことがある。誰かに利用してもらおうと思ったのだが、適当な人が現れない。自分の土地なので、草刈りしなくちゃいけない。最終的には家を処分しなくちゃいけない。
といことで、土地と家をもらって喜んだのもつかの間、よくよく考えると100万円以上の借金を背負ったことになった。私の場合には友人に10年住み続けたらあげるよ、というような形で家を貸すことにした。なんとかその苦労からは逃れられているのだが。
今日、春野出身で、都会に移住した人から春野にある空き家を解体したい、という相談を受けた。空き家になって30年余。家は築100年。トタンぶきの屋根で平屋で、家財道具はほとんどなし。難しいことではなさそう。
ただ、浄化槽とかトイレとか水回りの処理とかは、手間だろう。サイディングボードなどを使っていたらアスベストの処理に費用がかかる。
解体にはちょっとした家でも、100万以上はかかる。大きな家で300万円くらい。軽量鉄骨だったりすると1,000万ぐらいかかる場合もある。 そのことで自己破産して(逃れた)しまった知り合いもいた。
A案)業者を相見積もりしてみる。そこから選んでもらう。それはかんたんだが、おもしろくない。
B案)家をあげてしまい、改修して住んでもらえれば一番いい。でも、30年以上の空き家なので相当な改修費用がかかる。最大の問題は、借地ということ。家を補修しても土地代金を払い続けなくてはならない(ま、年に3万円くらにいのものだが)。 最後にはいつか更地にして返す。そこにカネがかかる。
C案)さいわい時間はある。周囲も理解がある。なので時間と体力のある若者グループに解体を依頼する。それこそ半年もかけてゆっくり解体。解体の技術が身につく。安く上がる。ただユンボであるとかユニックやトラックのような設備が必要であるが。
空き家は、人に家を貸さないと、どんどん傷んでくる。傷んでくれば補修費用もかかるし、住んでくれる人もいなくなる。 空き家は、これからどんどん増えてくる。 「危険な空き家については解体せよ」という命令を受けることになってくる。
ということで、山里における空き家の解体という事業の可能性はありそう。もちろん解体業者の許可であるとかも様々なクリアすべき課題はあるのだが。
そして時に、見事な古民家がある。囲炉裏ののススで真っ黒に光った柱、天井は煤竹などという物件もある。それが、あれよあれよという間に解体されてゴミとして処分される。もったいない。こういったものは古材として都会に向けて高額で販売できる可能性も出てくる。資材置き場であるとか、設備が必要になってくるが。
ともれ、今回のことでもケーススタディーとして可能性を見てみたい。
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