日々のエッセイ
12.172017
落に工房をひらくので、契約を交わしたい。そういう相談を受けた。
ある集落に工房をひらくので、契約を交わしたい。そういう相談を受けた。契約書の雛形がほしい、と。
甲は乙は……と、いきなり条文作る前に、確認することが幾つかある。
契約はそもそも「約束ごとの確認」のため。安心のため。お互いを縛るもの。
で、じつのところ、自分に都合のいいように、自分にリスクが来ないようにつくるのがポイント。いざというとき、争いになった時、そこが効いてくるわけだ。
まず「だれ」と「だれ」の契約なのか。
主体は、自分? 自分の属している組織? そのなかでの自分の立ち位置は? どこまでリスクを背負う危害がある?
相手は「だれ」?個人なのか、集落なのか? あるいは自治会長なのか?
そして、相手が心配するところは、なんなのか。リスクは何なのか。そこを明記して「ちゃんと責任を負います」と明記する、気概を示すと相手は安心する。
で、相手の心配するのは、こんなことだろうか。
たとえば、工房を貸してもいいけど、使うのは誰なのか、主体は誰なのか。どこまでリスクを背負ってくれるのか。
貸したはいいけど、やりっぱなしならないか。そのうち、どこかにいなくなったとはならないか。そのとき、後処理はどうするのか。
外部からいろいろ人が訪ねてくるかもしれない。集落にとっては、違和感と迷惑。たとえば、路上駐車。大声での立ち話。わが物顔での振る舞い。よそ者が、ことわりもなくキャンプして焚き火や飲み会などされたら困る。
そういうことに対する心配。そして、注意したいのに、だれに言っていいのかわからない。そもそも責任者はだれ? あんただれ? いままで何をしてきた人? どういう団体?
そんなところだと思う。で、そのことを整理して差し上げた。
そうして、完成した条文を持参して、ハンコを押してもらうのではなくて、たたき台として、シンプルに文書で示す。相手が、ここはこうしてほしいと、主張が入れられる余地を残しておく。一緒に約束事を作り上げるというのが、いいかたちだと思う。
そんなアドバイスをさせてもらったのだった。今年は、契約書とか規約づくりは5本くらいになる。
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