日々のエッセイ

空き家の解体処分

春野を離れて数十年。もう戻ることもない。墓も移した。空き家だけがある。たびたび帰っては、風通しなどしてきたが、遠方だし管理が重荷になってきた。

住みたい人がいれば、住んでもらいたい。屋根の補修など、すこし手間をかければいい。しかし、借地なので最終的には、更地にしなくちゃいけない。ということで、家を解体したい。

そんな、相談があった。

神奈川から里帰りした家主の夫婦と、隣家の夫婦を交えての打ち合わせとなった。こちらに、すべておまかせしたいともいう。

解体業者にまかせれば、かんたん。見積もりでは、100万円以上はかかる。囲炉裏の煙に燻された古材など、たんなるゴミとなってしまう。みんなで解体して、古材を活用することも可能かもしれない。隣家も協力したいという。

そこで、ひらめいた。

隣家がこの家をもらう。それが一番いいのでは。ちょうどいい離れになる。近隣や親戚が集まっての自由な語らいの場にもなる。物置にもなる。隣家は、それはいいかもしけないと心が動いた。

だが問題は「借地」ということ。いつかは更地にして返さないといけない。

ならば土地を買えばいい。こんな山奥だから、坪千円あるいは数千円。いや、タダでもらうことも可能かもしれない。ひとつ地主と交渉してみては、ということになった。

家主にすれば、100万円以上かかる解体費用が、ゼロになる。では、土地代は負担する、と。

そのあたりの調整をよろしくおねがいします、と依頼された。

縁側にすわって、温かい日差しを感じながら、そんなことを語り合った。

過疎地の山里、ひとり暮らしのお年寄りの多い山里、処分に困る空き家物件は、これからたくさん出てくるようになる。

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