日々のエッセイ

「春野町に移住したい」という方の相談を、月に3~4件は受けている。これまで、移住相談はのべ100人は越える。ばくぜんと「ただ田舎暮らしに憧れている」というイメージ先行の方。「ハーブ園をつくりたい。森のなかで、清流が流れて花が咲いているところ」とか、「チャペルをつくって、ベジタブルレストランもやりたい」という方。「木工をやりたいので、近隣から離れた山の中の空き家がいい。家賃は5千円くらい」と、具体的な方から、いろいろ。

できれば、空き家がいいという希望の方が多い。で、「空き家はありますか?」ときかれる。空き家はたくさんある。ある集落は空き家ばかりだ。でも、なかなか貸してくれない。どうしてか。年に一度、お盆の時に帰ってくる。お墓があるので、貸せない。遺品の整理ができてない。補修してない。など、いろいろ貸せない理由がある。

いちど貸してしまうと、いざというとき、出て行ってもらえない。集落の人と、仲良くやってくれるかどうか。信頼できる人なのかどうか。そんな懸念もある。でも、そのまま貸さないでいると、家はどんどんと傷んでくる。窓を閉めきりにしておけば、数年でかなり傷む。シロアリの心配もある。また、敷地の草刈りとか、いろいろ管理もたいへん。こうして、空き家をもつことは、重荷になっているのは事実。

ということで、感じのいい人がいて、ちゃんとやってくれるなら、貸してもいい。貸したい。いい人が住んでくれて、集落にいい風が通り、活気づくなら、ありがたいこと。……そんな声もある。そのあたりの、いい流れを作る、というのが楽舎の定住促進事業ということになる。

定住促進事業というと、どうも役所的な言葉だ。ぼくとしては、「その人」との出会い。その人との「縁」をたいせつに、ということに尽きる。その人の生き方・暮らし方、仕事、子育て、いろいろと人生万般の相談を受けるようなことにもなる。移住者の先輩として、すこしでも役に立てればありがたい。そして、ひとり・ふたりと移住者が増えて、それが結果として、山里の活性化にもつながるのではないか、と。

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