日々のエッセイ

地道ながら人と人をつないでいくしかない

山里への移住は、たんに空き家がある、土地が安いというわけにはいかない。もちろんそれが重要なファクターだ。しかし、肝心要は仕事だ。

一にも二にも、仕事がなければ続かない。現金収入がなければ暮らしていけない。かといって、山里には仕事がない。そのために、地道ながら人と人をつないでいくしかない。そのなかで、可能性は一つひとつみえてくる。

山里暮らしをしたいと、よく訪ねてくれるU君。先日は、田河内の森下さんのところで、一緒に味噌作りに参加してもらった。36歳と若いので、体力的に助かった。

味噌作りのときに、森下さんに聞いてみた。お茶の繁忙期、製茶組合での仕事があるかどうか。すると、5~7月には製茶工場でのアルバイトがあるという。そこでの仕事の可能性が出てきた。

そして住むところだ。彼は仕事として木工をやりたいという。ならば、とひらめいた。「山の村」に住んで、木工しながら仕事を手伝うというのはどうか。

「山の村」には、45ヘクタールもの森がある。かつては県の林間学校として500名を収容できる広大な施設があった。そこが閉鎖になって、地元が入札した。いまは、NPO春野山の楽校が管理運営している。林間学校から針葉樹を伐採してサクラの植樹、そして近ごろはジビエ(シカ・イノシシの狩猟と解体、肉の販売)もはじめた。

その山の村の施設の一部に住まわせてもらい、スポットで施設の仕事を手伝う。そして、狩猟も教えてもらう。木の伐採の仕事もでてくる。

木材は無限にあるので、木工には困らない。道具も揃っている。作品ができれば、展示スペースもある。ということで、NPO春野山の楽校の山下理事長にも紹介した。いろいろ可能性ができたところ。

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