日々のエッセイ
6.12015
高齢化がすすみ、過疎が進み、老朽したインフラが崩壊していく
若くて健康なうちは田舎暮らしはすばらしい。が、年をとるほどにたいへんになってくる。年をとると車の運転ができなくなる。それでまず困るのが、医療のことだ。
知人のUさんは、かなりの山奥に暮らしている。月に二度、ご夫婦で診療所に通う。かつては、春野町だけの特例で「ふれあいタクシー」といって、町内であれば、どんな山里からでも片道510円で使用できた。ところが浜松市と合併して10年、その特例がなくなってしまう。
タクシーで通うとなると、片道1万2千円。夫婦でそれぞれ利用するとなると、月に9万6千円になる。10万円にも満たない年金のほとんどが、診療所への交通費に消えてしまう。それでは、交通弱者は暮らしていけない。そこで、森下広隆さんたちがご尽力されて、春野町では春野のえがおというNPO法人ができ、タクシー代の半額で利用できる仕組みを作った。しかしそれでも、Uさんの家では、月に4万8千円の費用はかかる。
山奥はいろいろと深刻だ。豪雨が降れば土砂崩れを起こして、道路はしばらく不通になったりする。橋が崩落したりもする。こういう問題が、あちこちで起きてくる。高齢化がすすみ、過疎が進み、老朽したインフラが崩壊していく。山里はこれからもっといろいろな問題が起きてくる。
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