日々のエッセイ

山里の古い家は、いろいろ宝庫なのだ

寒いので町の風呂に行く。大きな風呂はあたたまる。サウナもある。友だちと出会ったり、新しく知りあいになったりする。帰りには図書館に予約本をとりにいく。

風呂では、ちょうどデザイナーの友人がいた。かれが作家の中上健次に会ったときのこと、熊野大学のこと、古文書のことなど雑談。山里にいると、なかなかこうした話のできる人は少ない。

脱衣所で目の合った人に話しかけると、地元の人。ここの風呂は、移住者とか、春野に釣りとかカヤック遊びの人が利用するが、地元の人は、あまり利用しない。

その方は、いま家を取り壊して新築するところ。なので、ここの風呂を初めて利用するという。

「へぇぇ、古い家ですか……」

──150年前の家だよ。

「それはすごい。煤竹(すすだけ)とか、なかったですか」

──あったよ、でもみんな燃やしちゃった」

「ああ、もったいなや。太い柱もあったでしょ。

──うん、あったよ。200年も前のケヤキの臼も、みんな燃やしてしまった。古い引き戸とか電気工事の人にあげてしまったよ。

「うわーー、もったいない。もったいない。胸が痛みます」

──本格的に壊すのは来週だから、見に来ればいいよ。ほしかったらあげるよ。

そんな話だった。古材を保管しておけば、高い値段で売れると思う。木工やら、なにかと活用できる。まあ、もらっても保管するのにたいへんだし、見るだけになると思うけど。

こないだは、Oさんが古い引き戸を処分するというので、見に行くと、明治のときの新聞が出てきた。ものすごく貴重だ。あやうく燃やしてしまうところだった。

Kさんの家では、ふすまの中から、古文書が出てきて、それは鎌倉時代の武蔵七党の由緒あるものだった。燃やすところだったらしい。国学院の先生たちが、調査に来たといっていた。

そんなふうに、山里の古い家は、いろいろ宝庫なのだ。家の解体とか、古いふすまの処分とか、そういう情報が入るようにしたい。「はるのびより」(春野町の情報誌、池谷が発刊。全戸配布する)の次号で呼びかけてみよう。

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