日々のエッセイ
6.182018
さながら仙境の世界。だが、杉と檜ばかりでは。
ひとり黙々と鍬をふるう。ガチッ、ガチッ。こんな急勾配の畑だ。敷地内に先祖の墓がある。このおばあさんは90近い。さながら仙境の世界と感じた。
惜しむらくは、南面が杉ばかりなこと。これが広葉樹だったらなあ……。かつて至るところに杉や檜が植えられた。それらが生長した。しかし、伐ることはできない。伐れば赤字になるだけだ。杉や檜は、どんどんと上に伸びて、景色は見えなくなる。日陰になる。山里はそんなふうになっている。
手前の石段は、かつて栄えたお寺に至る道。戒光院という祈祷寺院で遠方から参拝者が絶えなかった。しかし寺の長女が、ガソリンを本堂内にぶちまけて全焼させてしまった。8年前のことだ。
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